Category: Books

Yearbook of Type 1

Slanted, MAGMA Brand Design(編) / Niggli / 2013年

ドイツのタイポグラフィマガジン「Slanted」が、2009年から2012年に発表された書体の中からめぼしいものをピックアップして紹介している本で、その数ざっと239書体。紹介されている書体の作者の国籍も様々で、日本人からは小林章さん、麥倉聖子さんRyoichi Tsunekawaさんらが名を連ねている。私が知らない書体も当然ながら多数あり、これでこのブログのネタが増えた(笑)。自分のブックマークさえまだ全然消化しきれてないが…。「年鑑」と銘打っており、「1」とナンバリングされている事から次もあるのかなと期待してはいるが、あるかどうかは不明。どうでもいいが手元にあるものと画像では表紙のデザインが若干違うな…。

Steven Heller, Louise Fili / Thames & Hudson / 2011年

古い活字見本や広告、街角の看板などから、とにかくスクリプトだけを集めたビジュアルブック。文章は序文に4ページほどあるだけで、あとはすべて図版のみ。なので英語読めませんな人もまったく問題なし(笑)。文字好きはもうただ眺めてるだけで楽しめると思う。私が購入したのは3年ほど前だが、その頃はまだハードカバーがあった。今Amazonではハードカバーは法外な値段が付いてるが、ペーパーバックは普通の値段。こんな高値が付いてるんなら売ろうかな…インコに表紙かじられたけど(笑)。

The Complete Engraver

Nancy Sharon Collins(著) / Princeton Architectural Press / 2012年

しつこく書籍紹介。サブタイトルがクソ長いのでこちらに書くと Monograms, Crests, Ciphers, Seals, and the Etiquette of Social Stationery となっていて、ステーショナリー、つまり名刺やレターヘッドなどのエチケットやマナーなどを解説した内容になっている。序章は完全に銅版画の話で、我々タイポヲタクにとっては興味のない内容だが(笑)、本編以降、ちょっと文章が長くて英語が苦手な方はツラいかもしれないが、図版も多く、適した書体の紹介もあり、結構楽しめると思う。何より本そのものの佇まいが美しい。表紙も本文組も文句なし。特徴的なのが本文書体。Bertham というちょっと変わったものを使っている。
また、この本で紹介している古い書体をデジタル化したもの2書体が、Fonts.com のサイトからダウンロードできる。

John L. Walters(著), Design Museum(寄稿) / Conran Octopus / 2013年

2日続けて書籍紹介。『世界を変えた50の書体』というオオゲサなタイトルだが、これはロンドンにあるThe Design Museumが発行しているFiftyなんちゃらシリーズのひとつで、他にもバッグやら椅子やらのものがある。この本は、15世紀のブラックレターから2011年Dalton Maagが発表したフリーフォントのUbuntuまで、主要な50書体を紹介している。おなじみのCaslonやGaramond、Helvetica、Times Romanなどはもちろん含まれており、ひとつの見開きにつき1書体だけ紹介してるので文章も短く、英語が苦手な方(筆者含め)も何とか読めるんじゃないかなという感じ。欧文書体史をざっとさらうには良い本。

Cees W. de Jong, Alston W. Purvis, Jan Tholcnaar / Taschen / 2013年

欧米のタイプフェイスデザインの変遷を追った書。2分冊で、Vol.1は1628年から1900年までをざっくりと、Vol.2は1901年から1938年までを掲載。解説文は英独仏あるが、ほとんどが図版のみで、それぞれの年代を代表する印刷所の見本帖を掲載している。欧文書体好きにはもうヨダレだらだらで、これだけでご飯何杯でもイケること間違いなし。ぬいぐるみの代わりに抱いて眠りたい(笑)。実はこの本、5年ほど前にハードカバーで2冊バラバラで発売したものを、ペーパーバックにして2冊まとめて再販したもの。なのでもうお持ちの方もいるかもしれない。私はいつか買おうとして買いそびれていたが、値段も半額ほどになり、かえってラッキーであった。ただサイズはA4より一回り大きく重いので、ペーパーバックではちと心もとないが、その代わりオサレなスリップケースが付いている。タッシェンは高価になりがちな美術書を比較的安価で出版してくれてるありがたい出版社。多謝。

貴田庄(著) / 朝日新聞出版 / 2014年

西洋における書物の歴史をざっとさらった本。2000年にB5版で少部数のみ刷られた豪華本の復刻版だそうである。まだ二章ほどしか読んでないが、かなり丁寧に調査された上で執筆された事が伺える内容である。羊皮紙(パーチメント)とヴェラムの違いについての考察や、花切れやマーブル紙について解説など、製本を少しでもかじったことがある人ならかなり楽しめるだろう(逆に言えば知らない人にはなんのこっちゃである)。著者は「ルリユール入門」という本の翻訳もされてるのだが、そうとは知らずに持ってた(笑)。

西洋活字の歴史

スタン・ナイト(著) 髙宮利行(監修) 安形麻里(訳) / 慶應義塾大学出版会 / 2014年

英国のカリグラファーであり、カリグラフィー・タイポグラフィの研究家でもあるスタン・ナイトの著書の邦訳版。「グーテンベルクからウィリアム・モリスへ」の副題通り、古いものから順を追ってモノクロながら図版を見ることができる。フスト、キャクストン、ニコラ・ジェンソン、アルダス・マヌティウス、ギャラモン、ファン・ダイク、キャズロンなどなど、書体史をかじったことがある人なら聞いたことのある、そうそうたるメンバーの作品を少数だが一覧できるこの本はかなりおトク。著者は10年以上前にこれのカリグラフィー版を出版しており、これはこの本の監修者である髙宮教授によって翻訳されている。原書が出た時、焦って買わずによかった…多分翻訳版が出ると踏んでたけどね。にしても高いなこの本(涙)。

デザインの現場編集部 / 美術出版社 / 2014年

かつてあった雑誌『デザインの現場』の2009年6月号の特集に加筆して書籍化したもの。2016年に東京オリンピックが開催されると仮定して、ロゴの試作を4人のデザイナーに依頼している記事がある。2020年の決定に合わせてか、1998年12月号の’64年東京オリンピック特集も反射原稿で掲載されている。このコピーの質が、うーん…荒い。まぁしょうがないかな。両方とも持ってる俺は買う必要なかったかもしんない(笑)。

TYPOGRAPHY 05

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2014年

久々に書籍(雑誌?)を紹介。年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の今月発売の第5号。小林章さん・嘉瑞工房全面協力の、相変わらずコア過ぎず柔らかすぎずのちょうどいい内容で(まだ全部読んでないが)、文字に興味のある人すべてにお薦めです。今号の内容は同誌のFacebookページをチェケラっちょして欲しい。

小林章 (著) / 美術出版社 / 2005年

言わずと知れた欧文タイプデザインのエキスパート、小林章さんによる欧文書体解説書。歴史とかそういうウンチクより、より具体的な見方や選び方、組み方などを指南している実用書。タイポグラフィに関する書籍はやたら小難しいものが多いが、この本はかなり優しく書かれている。デザイナーでない人にもオススメ。