Category: Books

Typodarium 2017

Raban Ruddigkeit, Lars Harmsen / Schmidt Hermann Verlag / 2016年

今年も出ましたフォント日めくりカレンダー。今年はどこぞのバイラルメディアで紹介されたせいか、Amazon でも欠品が続いており、まだ筆者の手元に届いてない。が、まぁ多分例年通りだと思うので特筆すべき事も特にない(笑)。版元のサイトでちょろっと中身が見られるので、興味のある方はドウゾ。

Giambattista Bodoni, Stephan Füssel / Taschen / 1818, 2016年

モダンローマンの代表格・Bodoni にその名が残る Giambattista Bodoni のタイポグラフィに関する著述と書体見本。その死後、1818年に250部限定で2分冊で発行された Manuale tipografico の原版コピーを1冊にまとめた縮刷版である。当然イタリア語で書かれててちっとも読めないが(笑)、大半が本人がデザインした書体の見本帳となっているので、眺めててすごく楽しめる。実は2010年にも同じくタッシェンから原寸大のものが発行されていて、こちらも筆者は所持しているが、これがまぁ巨大で重くてちょっと読むのが大変である。今年出版されたこちらはサイズが半分以下になっており、かつ原書では片面にしか印刷されてないページも多数あったが、これは両面印刷にまとめられ、ページ数も少なくなっている。サイズが小さくなったとはいえ、元々ページ内のマージンがかなり大きく、それを省いてるので図版はさほど小さくなっていない。お値段も半分以下で2,000円ぐらいで買えるので非常におトク。欧文書体ヲタは必携だ。

アンドリュー・ポセケリ 著、 村上玲・横山文子 訳 / エムディエヌコーポレーション / 2016年

ラテンアルファベット26文字の1文字1文字について、その成り立ちや欧米人が抱くイメージなどか解説された本。例えば A はやはり最初の文字で、1番でありエースというイメージがあるようで、2010年のミズーリ大学の実験では、試験前に A を見た学生と見なかった学生とでは、前者の方が良い成績を修めたという。こんな感じで A から Z まで解説されている。ネイティブでない日本人には意外な情報もあっておもしろい。著者のサイトはこちら。日本在住の模様。

Martina Flor / Verlag Hermann Schmidt / 2016年

毎年フォントカレンダーを発売している Verlag から出版された、レタリングの教科書。といっても昔日本でよくあった堅苦しいレタリングの本ではなく、あくまで楽しんで書くようなもので、作例もラフでファンシー、かつチャーミングなものが多数掲載されている。作者のサイトをご覧いただければ判るだろう。んまー正直ドイツ語なので書いてることはさっぱり理解できないが(笑)、ほぼ全ページに渡って図版が掲載されているのでそれを見てるだけでも楽しい。タイプデザインの参考にもなるだろう。先日紹介した『タイポのある暮らし。』もそうだが、最近こういったラフでレトロなレタリングが流行っているような感じがしている。カクテルを題材にしたマンガや、とある占い師も述べているが、時代は若者から大人の時代に入り、レトロ&クラシックに回帰し始めてるそうだ。国民的アイドルの人気が陰り始め、斎藤さんの人気が上がってるのがそういう事なのかもしれない。カリグラフィーやクラシックなタイポグラフィが好きな俺の時代が来るか~?

※2/17追記: 英語版が出る模様。The Golden Secrets of Lettering: Letter Design from First Scketch to Final Art Work

ジェイブックス編集部(編) / 光文社 / 2016年

本屋をウロウロしてて偶然見つけた本。今まで紹介した本とは毛色が違い、インテリアにいかに欧文書体を取り入れるかという事について書かれた本で、いわゆるタイポグラフィの本ではないが、ちょっとおもしろかったので紹介する。手書きで黒板や窓ガラスに書いたり、東急ハンズなどに売っているアルファベットのオブジェ等を使い部屋や店を飾る方法を紹介している。そのようなインテリアの店舗をいくつか紹介している他、実践編として、この道で活躍されている MAHOTIM さんによるレクチャーが掲載されている。どの店もかわいらしいし、レタリングもタイプデザインのように厳しいものではなく、むしろちょっとつたない方が可愛らしさが出たりするので、気軽に始められると思う。この本ではこれらを「タイポ」と呼んでいるが、英語で「typo」は「タイプミス・誤植」を表すスラングだよとは突っ込まない方がオトナだろう(笑)。『デザイン』ではなく『建築・インテリア』のコーナーに置かれている事が多いと思うので、本屋で探す際はご注意を。

Rudy Vanderlans (編) / Gingko Press / 2016年

あの Emigre の書体見本帳。Emigre は書体を発表する度、小さな見本帳も同時に発行していたが、それを1冊にまとめたものである。10年ほど前にも Volume 1 として12書体分をまとめたものを100部限定で発行(ちなみに筆者はシリアルナンバー11を所持)していたが、一向に Volume 2 以降が発行されていなかった。それがこの度、大幅に収録数を増やして1冊にまとめたらしい。700ページ以上あって辞書みたいな分厚さがあるが、ノンブルは小冊子のものをそのまま掲載しているので、実際のページ数とは合ってない。あしからず。

Typography 09

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2016年

年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第9号。今号の特集は「美しい本と組版」。一線で活躍されているブックデザイナーへのインタビューや大手出版社の組版ルール、実践編の「組版の常識と非常識」などなど今回も文字好き垂涎の記事満載。各種和文書体の組見本帳(小冊子)が付録されている。これだけあってやっぱりお値段据え置き!

Gottfried Pott / verlag hermann schmidt / 2016年

Duc de Berry などをデザインした、ドイツのタイプデザイナーでありカリグラファーでもある Gottfried Pott 氏の最新作品集。タイポグラフィの本ではないが、買って嬉しいので紹介させてくれ(笑)。躍動感のあるダイナミックな作風で、モノトーンに近い色使いでどこか東洋的な雰囲気を持っているのが特徴。その魅力ある作品が70点ほど掲載されている。本文がドイツ語なので残念ながら詳細はよく判んないが、カリグラフィに興味あるならば買っておいて絶対損はない。表紙の手書き部分はエンボス加工されていて手触りよし(笑)。

Yearbook of Type II

Slanted (編) / Niggli / 2016年

以前も紹介した Yearbook of Type の第2段。「出るかどうかは不明」だったのだが無事出版されてよかった。やはり同じくドイツのタイポグラフィ雑誌 Slanted による、主に2013~2015年に発表された書体からピックアップされたコレクションである。Amazon のレビューには「ネットで見られるからいらんわ」的な辛口批評もあるが、筆者は古いタイプだからだろうか、やはり紙に印刷された文字が好きである。どのファウンダリーもいまや紙の見本帳を発行しなくなり、こういう本は貴重になってしまったので買うよねやっぱりね。

Tony Seddon / Firefly Books / 2015年

Garamond や Caslon などの有名な100書体を取り上げて解説した本。1書体につき2ページ(1見開き)程度でちゃっちゃと解説されていて読みやすい。「書体の進化」のタイトル通り、デザインされた時代の古い順に解説されている。古い方はごく一般的にみんな知ってる書体が紹介されているが、新しい方は Modesto やら Brioso など聞いたことがないヤツがちらほら(筆者だけかも)。眺めてるだけで結構楽しい。