Category: Books

Futura: The Typeface

Edited by Petra Eisele, Annette Ludwig, Isabel Naegele / Laurence King Publishing / 2017年

2016年にマインツのグーテンベルク博物館で開催された Futura 展のカタログとして出版された本。元はドイツ語だが、最近になって英語版が出版された。「Futura 世界一周の旅」と題し、フランクフルト、ハノーファー、ベルリン、ミュンヘン、ウィーン、プラハ、パリ、ニューヨーク、そして月での使用例を図版で多数紹介している。大半が’70年代以前の古いもの。注目すべきは「月」で、アポロ計画当時での使用例がある。最近 NASA の VI マニュアルを入手したが、第2標準書体として Futura が採用されており(第1は Helvetica)、そのためかアポロ計画の公式文書のあちこちで使用されている。ホントに誰なんですかね、欧米で嫌われてる書体だなんて言い出したのはさ…。

Paul McNeil / Laurence King Publishing / 2017年

タイトル通り、書体史を図解した大著。1454年のグーテンベルクのバスタルダから2015年発表の Infini まで、それぞれの年代の代表的な書体を見開きにひとつずつ紹介しており、ページ数から計算するとその数300書体以上。それぞれの書体に制作者や制作年などのデータと、簡単な解説文が付いている。A4判変形でズッシリと重く、図版はかなり大きく見応えあり。3年前に紹介した Type:- にも負けない素晴らしい本である。欧文書体ヲタは必携。

Design by Kazuya Iwanaga and Ren Yamakawa / D-BROS / 2017年

宮田識氏率いるデザイン事務所「DRAFT」のグッズブランド「D-BROS」の2018年カレンダー。いくつか種類があるが、毎年書体をフィーチャーしたものも出しており、来年は Avant Garde を使用している。シンプルでカッコイイカレンダー。こちらはA3ほどのサイズの壁掛けだが、ほかB1ポスターサイズ(本日時点でAmazon在庫切れ)とハガキ大のデスクトップサイズがバリエーションにある。

ヨースト・ホフリ (著), 麥倉 聖子 (監修), 山崎 秀貴 (翻訳) / 現代企画室 / 2017年

スイスのタイポグラファ Jost Hochuli による、タイトル通り、欧文タイポグラフィの細か~い所を詳細に解説した小冊子。10ヵ国で翻訳出版された名著である。序文によればこの本が扱うのは、派手なデザインやフォーマット、レイアウトなどではなく、「文字、字間、単語、単語間、行、行間、コラムといった小さな構成要素」である。ひょっとしたら一般的にはあまり興味を惹かない退屈な分野かも知れないが、欧文を組む機会はなくとも、ひとつ上の段階へ登るためには必須の知識なので、若いデザイナーにはぜひとも手に取ってもらいたい一冊だ。東京オリンピックに向けて欧文を組む機会が増える事もあるだろうし、日本語で読める本はそうはないので。もう知ってるよというこのブログをご覧頂いている層にも、今一度基本を見返すいい機会になると思う。次は The Elements of Typographic Style かな~宮後さ~ん(笑)。

Typography 11

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2017年

年2回発行されるタイポグラフィジャーナルの第11号。今号の特集は待望の(筆者だけ?)『欧文書体を使いこなす』で、小林章さんや麥倉聖子さんらによる欧文書体の使用事例や書体の紹介、使用上の注意点、用語集などなど盛りだくさんの内容。タイポグラフィ本にありがちなバックグラウンドの深掘りや精神論的なものはなく、非常に実践的な情報が多くデザイナーには重宝するだろう。付録は「欧文書体定番200見本帳」と「和文・欧文フォント組み合わせガイドブック」の2冊とこれまた豪華。これだけ付いてお値段据え置き!
公式Webサイトはこちら

Robert Bringhurst / David R. Godine, Publisher / 2016年

発売から結構遅れたが、やっと入手できたので紹介。Hermann Zapf 氏のデザインした書体・Palatino について書かれた本。タイポグラフィの本は数あれど、いち書体についてのみ書かれた本というのはほとんどないと思う。Palatino は Zapf 氏が長命だったため、デザイナー本人が活字から写植、デジタルフォントまで関わることができたかなり珍しい書体で、その変遷を追った内容になっている。ちなみに最新の Palatino Nova には小林章さんも関わっており、元は別書体だった Michelangelo と Sistina をファミリーに加えている。著者は欧文タイポグラフィに興味のある人ならほぼ持っている(と思われる)The Elements of Typographic Style で有名なカナダのタイポグラファー、Robert Bringhurst。

Typography 10

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2016年

今号の特集は筆者の苦手な(笑)『日本語のロゴとタイトル』。葛西薫氏、石川竜太氏、柿木原政広氏らの仕事を紹介してる他、デザイナー10組の作品を各10点ほど掲載。また『文字のバランス構成テクニック』と題して、文字をデザインする際の視覚調整の仕方やバランスの取り方などのコツを紹介。レタリングの教科書が発行されることがまずない昨今、貴重な資料である。昔は結構あって、それらをかき集めて眺めたこともあったが、正直「何が違うねん」という微妙なバランス調整が全然見分けがつかなかった(笑)。でも今回、これを見て違いが判るようになっている自分を発見。目が育ってますなぁ。あとフォントをロゴやタイトルに使用する際の各フォントメーカーの規約一覧が載っている。これは便利。付録にはオプティカル・サイズ書体見本帳とモリサワの小冊子が。実はこっそり Facebook にて付録の提案をしてみたが却下された模様(涙)。

Typodarium 2017

Raban Ruddigkeit, Lars Harmsen / Schmidt Hermann Verlag / 2016年

今年も出ましたフォント日めくりカレンダー。今年はどこぞのバイラルメディアで紹介されたせいか、Amazon でも欠品が続いており、まだ筆者の手元に届いてない。が、まぁ多分例年通りだと思うので特筆すべき事も特にない(笑)。版元のサイトでちょろっと中身が見られるので、興味のある方はドウゾ。

Giambattista Bodoni, Stephan Füssel / Taschen / 1818, 2016年

モダンローマンの代表格・Bodoni にその名が残る Giambattista Bodoni のタイポグラフィに関する著述と書体見本。その死後、1818年に250部限定で2分冊で発行された Manuale tipografico の原版コピーを1冊にまとめた縮刷版である。当然イタリア語で書かれててちっとも読めないが(笑)、大半が本人がデザインした書体の見本帳となっているので、眺めててすごく楽しめる。実は2010年にも同じくタッシェンから原寸大のものが発行されていて、こちらも筆者は所持しているが、これがまぁ巨大で重くてちょっと読むのが大変である。今年出版されたこちらはサイズが半分以下になっており、かつ原書では片面にしか印刷されてないページも多数あったが、これは両面印刷にまとめられ、ページ数も少なくなっている。サイズが小さくなったとはいえ、元々ページ内のマージンがかなり大きく、それを省いてるので図版はさほど小さくなっていない。お値段も半分以下で2,000円ぐらいで買えるので非常におトク。欧文書体ヲタは必携だ。

アンドリュー・ポセケリ 著、 村上玲・横山文子 訳 / エムディエヌコーポレーション / 2016年

ラテンアルファベット26文字の1文字1文字について、その成り立ちや欧米人が抱くイメージなどか解説された本。例えば A はやはり最初の文字で、1番でありエースというイメージがあるようで、2010年のミズーリ大学の実験では、試験前に A を見た学生と見なかった学生とでは、前者の方が良い成績を修めたという。こんな感じで A から Z まで解説されている。ネイティブでない日本人には意外な情報もあっておもしろい。著者のサイトはこちら。日本在住の模様。