Category: Books

Tobias Frere-Jones / Princeton Architectural Press / 2017年

タイプデザイナーの Tobias Frere-Jones 氏の古い書体見本帳コレクションから厳選し再構成して、50枚のポストカードにした本(本ではないが)。Jones 氏のデザインした書体ではないことに注意。アメリカ、英国、フランス、ドイツ各国それぞれのファウンダリーの見本帳から12点ずつ選んだとある(じゃあ48枚なのでは…)。欧文書体ヲタには垂涎のポストカード集で、筆者などはどういうフレームに入れて部屋に飾ろうかとすでに思案中。パッケージもカッコよく、布張りした箱に黒で型押しがしてある。3,000円ほどとちょいするなあと思うだろうが、1枚60円と思えば全然安い。お買い得。それにしても以前は Hoefler & Jones として活動してたと記憶してるが、Hoefler 氏とはいつ袂を分かったんだろうか…ちょっと気になる(笑)。

Cristóbal Henestrosa, Laura Meseguer, José Scaglione / Tipo e / 2017年

タイプデザインについて言及された書。レタリングやタイポグラフィの本は数あれど、タイプデザインそのものについての本は洋書でもなかなかないので、貴重な資料である。「スケッチからスクリーンへ」のサブタイトル通り、紙上でのスケッチからアウトラインを取ってデジタル化するまでのノウハウが詰まっている。正直英語が得意じゃないので(笑)さほど読んでいないが、図版を見る限りかなりおもしろそうである。著者はメキシコ人、スペイン人、アルゼンチン人の3名で、スペイン語で書かれ2015年に出版されたものだが、今年になって英訳された。公式サイトは tipo-e.com

タイポグラフィ編集部(編) / グラフィック社 / 2017年

タイポグラフィ専門誌第12号。今号の特集は和文の本文書体。DTPでは最初にスタンダードの地位を築いたリュウミンをはじめ、ゴシックも含めたスタンダードな40書体ほどの紹介と組見本や使用例、小説やマンガでの書体選択の仕方や組み方などを紹介している。ほかフォント作成ソフト・Glyphs の使い方など。モリサワの最近発表された新書体の見本帳が付録についている。しかし最近書籍の紹介ばっかしてるな…。

Futura: The Typeface

Edited by Petra Eisele, Annette Ludwig, Isabel Naegele / Laurence King Publishing / 2017年

2016年にマインツのグーテンベルク博物館で開催された Futura 展のカタログとして出版された本。元はドイツ語だが、最近になって英語版が出版された。「Futura 世界一周の旅」と題し、フランクフルト、ハノーファー、ベルリン、ミュンヘン、ウィーン、プラハ、パリ、ニューヨーク、そして月での使用例を図版で多数紹介している。大半が’70年代以前の古いもの。注目すべきは「月」で、アポロ計画当時での使用例がある。最近 NASA の VI マニュアルを入手したが、第2標準書体として Futura が採用されており(第1は Helvetica)、そのためかアポロ計画の公式文書のあちこちで使用されている。ホントに誰なんですかね、欧米で嫌われてる書体だなんて言い出したのはさ…。

Paul McNeil / Laurence King Publishing / 2017年

タイトル通り、書体史を図解した大著。1454年のグーテンベルクのバスタルダから2015年発表の Infini まで、それぞれの年代の代表的な書体を見開きにひとつずつ紹介しており、ページ数から計算するとその数300書体以上。それぞれの書体に制作者や制作年などのデータと、簡単な解説文が付いている。A4判変形でズッシリと重く、図版はかなり大きく見応えあり。3年前に紹介した Type:- にも負けない素晴らしい本である。欧文書体ヲタは必携。

Design by Kazuya Iwanaga and Ren Yamakawa / D-BROS / 2017年

宮田識氏率いるデザイン事務所「DRAFT」のグッズブランド「D-BROS」の2018年カレンダー。いくつか種類があるが、毎年書体をフィーチャーしたものも出しており、来年は Avant Garde を使用している。シンプルでカッコイイカレンダー。こちらはA3ほどのサイズの壁掛けだが、ほかB1ポスターサイズ(本日時点でAmazon在庫切れ)とハガキ大のデスクトップサイズがバリエーションにある。

ヨースト・ホフリ (著), 麥倉 聖子 (監修), 山崎 秀貴 (翻訳) / 現代企画室 / 2017年

スイスのタイポグラファ Jost Hochuli による、タイトル通り、欧文タイポグラフィの細か~い所を詳細に解説した小冊子。10ヵ国で翻訳出版された名著である。序文によればこの本が扱うのは、派手なデザインやフォーマット、レイアウトなどではなく、「文字、字間、単語、単語間、行、行間、コラムといった小さな構成要素」である。ひょっとしたら一般的にはあまり興味を惹かない退屈な分野かも知れないが、欧文を組む機会はなくとも、ひとつ上の段階へ登るためには必須の知識なので、若いデザイナーにはぜひとも手に取ってもらいたい一冊だ。東京オリンピックに向けて欧文を組む機会が増える事もあるだろうし、日本語で読める本はそうはないので。もう知ってるよというこのブログをご覧頂いている層にも、今一度基本を見返すいい機会になると思う。次は The Elements of Typographic Style かな~宮後さ~ん(笑)。

Typography 11

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2017年

年2回発行されるタイポグラフィジャーナルの第11号。今号の特集は待望の(筆者だけ?)『欧文書体を使いこなす』で、小林章さんや麥倉聖子さんらによる欧文書体の使用事例や書体の紹介、使用上の注意点、用語集などなど盛りだくさんの内容。タイポグラフィ本にありがちなバックグラウンドの深掘りや精神論的なものはなく、非常に実践的な情報が多くデザイナーには重宝するだろう。付録は「欧文書体定番200見本帳」と「和文・欧文フォント組み合わせガイドブック」の2冊とこれまた豪華。これだけ付いてお値段据え置き!
公式Webサイトはこちら

Robert Bringhurst / David R. Godine, Publisher / 2016年

発売から結構遅れたが、やっと入手できたので紹介。Hermann Zapf 氏のデザインした書体・Palatino について書かれた本。タイポグラフィの本は数あれど、いち書体についてのみ書かれた本というのはほとんどないと思う。Palatino は Zapf 氏が長命だったため、デザイナー本人が活字から写植、デジタルフォントまで関わることができたかなり珍しい書体で、その変遷を追った内容になっている。ちなみに最新の Palatino Nova には小林章さんも関わっており、元は別書体だった Michelangelo と Sistina をファミリーに加えている。著者は欧文タイポグラフィに興味のある人ならほぼ持っている(と思われる)The Elements of Typographic Style で有名なカナダのタイポグラファー、Robert Bringhurst。

Typography 10

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2016年

今号の特集は筆者の苦手な(笑)『日本語のロゴとタイトル』。葛西薫氏、石川竜太氏、柿木原政広氏らの仕事を紹介してる他、デザイナー10組の作品を各10点ほど掲載。また『文字のバランス構成テクニック』と題して、文字をデザインする際の視覚調整の仕方やバランスの取り方などのコツを紹介。レタリングの教科書が発行されることがまずない昨今、貴重な資料である。昔は結構あって、それらをかき集めて眺めたこともあったが、正直「何が違うねん」という微妙なバランス調整が全然見分けがつかなかった(笑)。でも今回、これを見て違いが判るようになっている自分を発見。目が育ってますなぁ。あとフォントをロゴやタイトルに使用する際の各フォントメーカーの規約一覧が載っている。これは便利。付録にはオプティカル・サイズ書体見本帳とモリサワの小冊子が。実はこっそり Facebook にて付録の提案をしてみたが却下された模様(涙)。