Category: Books

高岡昌生(著), 高岡重蔵(監修) / 烏有書林 / 2019年

欧文組版の日本語書籍における決定版。「タイポグラフィの基礎とマナー」とサブタイトルにある通り、目を引く派手なデザイン例ではなく、ホントに「基礎」をしっかり教えてくれる教科書である。各章に課題があり、実際に手を動かして組版を学べるようになっているので、ぜひ読むだけではなく実践して学んで欲しい。語りかけるような平易な文章で書かれているので読みやすいと思う。東南アジアなどで、変な文字組みの日本語の看板などを見たことがあるだろう。基礎を学んでおかないとああいう変な文字組みをしてしまい、そしてそれに気づくことすらなくどこかでネイティブの方々やエキスパートに「あ~あ」と落胆されてしまうので、そうならないようしっかり学んでおきたい。
まぁでもネイティブの人たちもみんなしっかりしてるかというと、あんまりそうでもない。筆者はアイリッシュ音楽が趣味で洋書の楽譜を多数持っているが、それらの文字組みはなかなかにヒドい(笑)。それらを作ってる人たちにもこの本を読んでもらいたいと思うぐらいである(ムリだけど)。
2010年に美術出版社から出版されたものの増補改訂版。前の版を持ってる人もぜひどうぞ。

/ Actual Source / 2019年

アメリカはユタ州にある Actual Source というデザイン事務所が不定期(?)に発行しているアートブックの第8号で、今回はタイプデザイン特集。とは言ってもほぼ書体見本帳となっており、近年制作された個性的な書体を100種紹介している。1書体平均5、6ページほど使っており、600ページものボリュームがある大著。印象としてはディスプレイが多いかなという感じ。ちなみに書名の shoplifter とは「万引き」の事で、映画の「万引き家族」の英語タイトルがこれである(笑)。

Typodarium 2019

Raban Ruddigkeit, Lars Harmsen 編 / Schmidt Hermann Verlag / 2018年

今年も出ました、フォント日めくりカレンダー2019年度版。毎日1書体いろんな書体を見られる便利なカレンダーで、いえばプッシュ型のコンテンツである(言い過ぎ)。プッシュ型のいいところは、普段自分が興味を持たずアクセスしない情報がぽんと提示されるところである。そこから新たな発見があるだろう。だからテレビも大事なのよね。ネットばかりに張り付いてちゃダメですよ皆さん。うんうん(何の話だ)。

The Fontsmith Library

/ Fontsmith / 2018年

英国のタイプファウンダリー Fontsmith の書体見本帳。掲載書体は40種ほど。最近の書体見本はWebで済まされることが多く、フォント単体のリーフレット的なものは少量作られるが、こうしてまとまった見本帳は最近発行されることがほとんどないので貴重だろう。昔は Linotype や Fontshop が分厚い見本帳を発行してたものだが…淋しい。文字は印刷されたものを見たい、という人は買っといて損はない。見本帳そのものは日本円で2,200円ぐらい。で、送料は1,500円ぐらい(笑)。3,000部限定。

Yearbook of Type III

/ Slanted / 2018年

随分前に購入してあったのに紹介を忘れてた(笑)。ドイツのタイポグラフィマガジン Slanted が発行している書体年鑑の第3段。2014年以降に発表された欧文書体の中から優秀なものをピックアップして掲載している。1書体につき見開き2ページずつ。『年鑑』と名はついているが毎年発行しているわけではないのがミソである。日本からは恒川龍一さんの Mighty Slab が選ばれている。なぜか Amazon では取り扱ってないようなので、Slanted のサイトより直接購入する必要がある。日本でも取り扱ってる書店もあるかもしれないが、寡聞にして知らず…。

タイポグラフィ編集部 / グラフィック社 / 2018年

年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第13号。今号は「事典」として扱える事を目的として構成されており、時事ネタはなく、タイポグラフィに関する情報全般を揃えた保存版となっている。和欧双方取り揃えており、それらの組版に関する情報や用語集、書体見本帳などなど盛りだくさん。毎号買ってなくても、今号だけは手元に置いといて損はないだろう。

Typodarium 2018

Raban Ruddigkeit,‎ Lars Harmsen / Verlag Schmidt Hermann / 2017年

すっかり忘れていたが今年も出ましたフォント日めくりカレンダー。来年度版はパッケージが金ピカで縁起がよろしい(使う時は外してしまうが)。多分金運アップするので(笑)いかがだろうか。相変わらず年末は薄くなって不安定になるんだが、この構造どうにかならんのか…。

Tobias Frere-Jones / Princeton Architectural Press / 2017年

タイプデザイナーの Tobias Frere-Jones 氏の古い書体見本帳コレクションから厳選し再構成して、50枚のポストカードにした本(本ではないが)。Jones 氏のデザインした書体ではないことに注意。アメリカ、英国、フランス、ドイツ各国それぞれのファウンダリーの見本帳から12点ずつ選んだとある(じゃあ48枚なのでは…)。欧文書体ヲタには垂涎のポストカード集で、筆者などはどういうフレームに入れて部屋に飾ろうかとすでに思案中。パッケージもカッコよく、布張りした箱に黒で型押しがしてある。3,000円ほどとちょいするなあと思うだろうが、1枚60円と思えば全然安い。お買い得。それにしても以前は Hoefler & Jones として活動してたと記憶してるが、Hoefler 氏とはいつ袂を分かったんだろうか…ちょっと気になる(笑)。

Cristóbal Henestrosa, Laura Meseguer, José Scaglione / Tipo e / 2017年

タイプデザインについて言及された書。レタリングやタイポグラフィの本は数あれど、タイプデザインそのものについての本は洋書でもなかなかないので、貴重な資料である。「スケッチからスクリーンへ」のサブタイトル通り、紙上でのスケッチからアウトラインを取ってデジタル化するまでのノウハウが詰まっている。正直英語が得意じゃないので(笑)さほど読んでいないが、図版を見る限りかなりおもしろそうである。著者はメキシコ人、スペイン人、アルゼンチン人の3名で、スペイン語で書かれ2015年に出版されたものだが、今年になって英訳された。公式サイトは tipo-e.com

タイポグラフィ編集部(編) / グラフィック社 / 2017年

タイポグラフィ専門誌第12号。今号の特集は和文の本文書体。DTPでは最初にスタンダードの地位を築いたリュウミンをはじめ、ゴシックも含めたスタンダードな40書体ほどの紹介と組見本や使用例、小説やマンガでの書体選択の仕方や組み方などを紹介している。ほかフォント作成ソフト・Glyphs の使い方など。モリサワの最近発表された新書体の見本帳が付録についている。しかし最近書籍の紹介ばっかしてるな…。