Archive: September 2015

Shàngó Gothic

碑文系のディスプレイ。基本的にはローマンキャピタル風味のある書体だが、ステムに抑揚がなくほぼサンセリフ。だがちょこっとだけセリフが付いており、言えば Copperplate Gothic とのハイブリッドのような書体である。Schneidler Initials という古い書体に範をとったらしい。オルタネートには縦のステムが伸びたものもあり、それらは Sophia にも雰囲気が似ている。小文字はないがギリシャ文字とキリル文字もサポートし、オーナメント類も少し。4ウェイト。

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Design Date
2007
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Carrig

非常に美しい正統派オールドスタイルローマン。小文字が大きめで現代風だが、シルエットは古風で手書きの風味も若干残っており、とにかくキレイ。R や Q にはテールの長いオルタネートがあり、タイトル組で重宝するだろう。名前はカリグラフィーから来てるのかと思いきや、ゲール語で「岩」の意味だそうである。元はアイルランドのケリー州湖畔にあるホテルのブランディングのために作った書体らしい。そのホテルのステーショナリー類もこれで組まれてるそうな。この書体の似合う湖畔のホテルとか、さぞや居心地の良い美しいホテルだろうと想像させる。いつか行ってみたい。ノーマルウェイトの Text と Bold、見出し用の Display があり、Text と Display にはイタリックもあり。セットで買っても$50と大変お安い。
※2017.6 追記:字種とファミリーが追加された Carrig Pro が発表された。

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Design Date
2015
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Univers Next

9月12日、タイプデザイン界の巨匠、Adrian Frutiger アドリアン・フルティガー氏が亡くなられた。享年87。6月に Hermann Zapf ヘルマン・ツァップ氏が亡くなられてから3ヶ月、今年は2大巨頭が相次いで亡くなられるという忘れられない年となった。
フルティガー氏は数多くの書体をデザインされたが、もっとも有名なのはこの Univers だろう。この書体は皆さんご存知の通り、初めてナンバーシステムが導入された(*)書体である。55というのをレギュラー・アップライトとし、10の位をウェイト、1の位の奇数が字幅、偶数をそのイタリックとしてシステム的に体系化してファミリー展開を行った。2010年に改定されたこの Univers Next では数字が3桁になり、100の位がウェイト、10の位が字幅、1の位の0がアップライト、1がイタリックとなっている。ファミリーも71と増えており、他、セリフの付いたモノスペース版の Typewriter とアラビア文字バージョンも作られている。フルティガー氏は亡くなられたが、氏の書体は今も世界中で使われており、その内のいくつかはまた改定されてファミリーを増やすかもしれない。氏が生み出したその宇宙(Univers)はまだまだ限りなく広がり続けていくだろう。今頃はツァップ氏と何を語り合っておられるだろうか。それを想像すると何となく微笑ましく感じさえする。ご冥福をお祈りいたします。

*ナンバーシステムはこれが初ではないという指摘をいただいたので訂正します。

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2010
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Vanilla Shot

かわいらしい雰囲気のアップライトブラッシュスクリプト。まぁあんまり説明も必要ないほどこのテの書体はよく紹介してるが、他との違いはややコンデンスなのと、珍しくスモールキャップスがある事かな。あとこちらも珍しいが、オーナメントに櫛やハサミなどがある。美容院とかもフォローしてるのか…? スワッシュやリガチャーのオルタネートが山ほどあるのはお約束。Italic というのが一応付いてるが、Regular が2~3度傾いたかなという程度でほとんど違いはない(笑)。Bold と2ウェイト。ただいま60%オフセール中。

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2015
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bill corporate narrow

ザ・ジオメトリックとも呼べるサンセリフ。Futura と同じような幾何学的なサンセリフで、非常にモダンで洗練された印象で超カッコイイ。元の bill corporate よりは字幅が若干細めにデザインされている。A の字幅がかなり広いのと、M の縦のステムが垂直なのが Futura との主な違いだろうか。あとアセンダーやディセンダーも若干低め。Hairline から Super(Heavy相当)まで細かくウェイトがあるが、Hairline よりもさらに細いものが Two、Four、Six、Eight と4種あり、Two などはもう普通のサイズではほとんど視認できない(笑)。相当大きく使う必要があるだろう。残念ながらイタリックはなし。
作者に名を連ね、書体名にもなっている Max Bill はドイツ・バウハウス出身の非常に多彩な芸術家で、建築、プロダクト、グラフィックと多方面で才能を発揮した。ミッドセンチュリーのインテリアを扱うショップでは、Bill のプロダクトを扱っている所も多い(こちらなど)。Typography, Advertising, Book Design という著書も著している。この書体はただいま70%オフセール中。

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Design Date
2015
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Blend

またまた出ました手書き風味のマルチスタイルファミリー。主たる書体はコンデンスなフレアセリフで、それのオープンフェイス(Inline)とその塗りつぶし部分のみ(Fill)があり、小文字のないオールキャップス版(Caps)はリガチャーが豊富。Caps には小さなダイヤ型の飾りのついた Western と名付けられたものがひとつと、あと躍動感のあるブラッシュスクリプトが1種。ほか、このテの書体には必ず付いてるオーナメントやアイコン類があり、名前の通りカフェに適したものが多くある。ただいま50%オフセール中。

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2015
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ピーター・ドーソン / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2015年

タイトル通り、街や生活雑貨などで見かける欧文書体をその実例とともに解説した本。書体の解説は1つの見開きに1つで、短くて読みやすい。紹介している書体の数は約120。ディスプレイ書体にはあまり見慣れないものも多いが、概ねスタンダードな書体がチョイスされている。実例の写真も美しく、本そのもののデザインもすばらしい。判型はA5版ヨコとコンパクト。欧文書体好きには超オススメの書。

Totemic

カリグラフィーペンでむりくり(笑)書いたようなローマン。一見普通のローマンに見えるが、よくよく見ると輪郭がうにうにしており、ラフにレタリングしたような形をしている。骨格は割とスタンダード。作者の Jim Rimmer が初めて制作した書体らしい。1ウェイトでイタリックもないのだが、名前の通りトーテムポールのオーナメントが付属していて、1~3段でバラバラになっており、好きなように縦に積んで組めるようになっている。字種は Pro 仕様。

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Design Date
2015
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Jotia

ややカクカクした印象のセミセリフ。いやセミサンズか? まぁいいやどっちでも。とにかく中途半端にセリフが付いた書体である。セリフは太く、ほとんどスラブセリフとさえ思えるほど。字形もなんとなくコリッとしているが、カウンターは広めで読みやすい。字種も多くリガチャーや数字の種類も豊富で本文用として文句…はある。なんと、残念ながらイタリックがない。できれば追加して欲しいな。6ウェイト。

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2015
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Gillray Pro

古き良き時代をホウフツとさせるカッパープレートスクリプト。最近のカリグラフィーベースのスクリプトではなく、活字にデザインされた風のスクリプト。活字の制限ゆえに派手なスワッシュなどはないが、統制のとれた均質な行儀良さがあり、社交用としては最適だと思う。小文字の t が古い字形で、おそらく初めて見るという人も多いだろう(サンプルイメージの最下行、cartoonist を参照)。こういう t もあると覚えておくとモテるぞ(ウソ)。2ウェイト。

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Design Date
2015
Publisher
RMU