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Young Finesse

Young Finesse

ローマンの骨格を持ったOptima風味のディスプレイサンセリフ。Optimaに比べてより女性的で柔らかい雰囲気を持っている。作者のDoyald Young氏は日本の企業とも仕事を行っていたようで、氏の著書にはかなりの数の日本向けにデザインしたロゴが掲載されている。大変優雅なスクリプトが多く、カリグラフィー作品は見たことがないが、そちらの方の腕もかなりのものだったと推察される。氏の著書はなぜかAmazon等で取り扱いがなく、直接連絡して取り寄せたことがあるが、当時82歳のご本人がメールで直接やり取りしてくれてちょっとびっくりした。氏は残念ながら2011年にご逝去されたが、これだけの腕を持ちながら、フォントはこれを含めて5つほどしか作ってない。もっと作って欲しかったなぁと悔やまれる。

Margaux

Margaux

フレンチ風味のスクリプト。このブログではスクリプトを多数紹介してきたが、このテは初めてだと思う。サンプルイメージのMを見てもらえれば判るが、他の国ではあまり見ない書き方をしていて特徴的。正直言うとファミリーもオルタネートもないし、1字1字はあまり質は良くないかなーと思うが、組んでみるとそんなに悪くはない。でもちょいーと字間が広めかな。名前は超有名高級ワインのシャトー・マルゴーから。

Category(s) Script Design Date 2013
Designer(s) Anton Scholtz Publisher Scholtz Fonts

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Arepo

Arepo

大御所Sumner Stoneデザインの書体。インペリアルキャピタルとBodoniにインスパイアされたとあり、その通り堂々とした骨格でありながら繊細なセリフを持っている。大文字はややコンデンスで、多分大文字だけで組まれることを想定している。イタリックにはスワッシュバージョンもあり。本来はステムにラインが入ったInline というバージョンもあるはずだが、なぜかMyFontsでは扱ってない。完全なファミリーのサンプルは、Stone Type Foundryのサイトで見ることができる。

Category(s) Display, Serif Design Date 1995
Designer(s) Sumner Stone Publisher Stone Type Foundry

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Aire

Aire

スワッシュが豊富なモダンローマンディスプレイ。もうこのテは飽きたとか言わないで(笑)。好きなんだからしょうがない。ヘアラインが非常に繊細で、ウェイトが細かろうが太かろうがヘアラインの方は変わらないというディスプレイ専用書体。その分x-ハイトやカウンターは大きめで、可読性は確保している。イタリックのみならずアップライトにもスワッシュが非常に豊富。キリル文字のグリフもあり。よく似合うオーナメントも揃っている。販売サイトには68ページに及ぶ使用マニュアルがPDFで配布されているので、先にそれを見てみるのもいいだろう。名前はスペイン語で「空気(air)」の意。投稿時点でMyFontsベストセラー12位。3ウェイト。

Bertham Pro

Bertham Pro

で、前の投稿で出た書体の紹介。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Frederic W. Goudyのデザインした書体。一見普通の書体のようだがエレメントが特徴的で、特に Q や g、 z などは他ではあまり見られない形をしている。こんだけ珍妙だとうるさそうだが、骨格がスタンダードなため、さほど違和感はない。全体的にクラシックでありながら可愛らしい書体。元々アップライト1ウェイトのみだったが、デジタル化にあたり、イタリックとボールド、それとオープンフェイスを新たにデザインしてファミリーに追加している。

Category(s) Serif Design Date 2009
Designer(s) Frederic W. Goudy,
Steve Matteson
Publisher Ascender

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The Complete Engraver

  • Nancy Sharon Collins(著)
  • Princeton Architectural Press
  • 2012年

しつこく書籍紹介。サブタイトルがクソ長いのでこちらに書くと Monograms, Crests, Ciphers, Seals, and the Etiquette of Social Stationery となっていて、ステーショナリー、つまり名刺やレターヘッドなどのエチケットやマナーなどを解説した内容になっている。序章は完全に銅版画の話で、我々タイポヲタクにとっては興味のない内容だが(笑)、本編以降、ちょっと文章が長くて英語が苦手な方はツラいかもしれないが、図版も多く、適した書体の紹介もあり、結構楽しめると思う。何より本そのものの佇まいが美しい。表紙も本文組も文句なし。特徴的なのが本文書体。Bertham というちょっと変わったものを使っている。
また、この本で紹介している古い書体をデジタル化したもの2書体が、Fonts.com のサイトからダウンロードできる。

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The Complete Engraver

Fifty Typefaces that Changed the World

  • John L. Walters(著), Design Museum(寄稿)
  • Conran Octopus
  • 2013年

2日続けて書籍紹介。『世界を変えた50の書体』というオオゲサなタイトルだが、これはロンドンにあるThe Design Museumが発行しているFiftyなんちゃらシリーズのひとつで、他にもバッグやら椅子やらのものがある。この本は、15世紀のブラックレターから2011年Dalton Maagが発表したフリーフォントのUbuntuまで、主要な50書体を紹介している。おなじみのCaslonやGaramond、Helvetica、Times Romanなどはもちろん含まれており、ひとつの見開きにつき1書体だけ紹介してるので文章も短く、英語が苦手な方(筆者含め)も何とか読めるんじゃないかなという感じ。欧文書体史をざっとさらうには良い本。

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Fifty Typefaces that Changed the World

Type: A Visual History of Typefaces and Graphic Styles

  • Cees W. de Jong, Alston W. Purvis, Jan Tholcnaar
  • Taschen
  • 2013年

欧米のタイプフェイスデザインの変遷を追った書。2分冊で、Vol.1は1628年から1900年までをざっくりと、Vol.2は1901年から1938年までを掲載。解説文は英独仏あるが、ほとんどが図版のみで、それぞれの年代を代表する印刷所の見本帖を掲載している。欧文書体好きにはもうヨダレだらだらで、これだけでご飯何杯でもイケること間違いなし。ぬいぐるみの代わりに抱いて眠りたい(笑)。実はこの本、5年ほど前にハードカバーで2冊バラバラで発売したものを、ペーパーバックにして2冊まとめて再販したもの。なのでもうお持ちの方もいるかもしれない。私はいつか買おうとして買いそびれていたが、値段も半額ほどになり、かえってラッキーであった。ただサイズはA4より一回り大きく重いので、ペーパーバックではちと心もとないが、その代わりオサレなスリップケースが付いている。タッシェンは高価になりがちな美術書を比較的安価で出版してくれてるありがたい出版社。多謝。

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Type: A Visual History of Typefaces and Graphic Styles

LTC Goudy Initials

LTC Goudy Initials

れの活字を2文字だけ買ったので紹介(笑)。1917年にアメリカのタイプデザイナー・Frederic W. Goudyがデザインしたイニシャル。使い方はドロップキャップスと言って、この説明文のように長文を組む際に最初の一文字だけデカくするスタイルがあるが、あれに使用する。決してこれだけで単語や文を組んではイケナイ(いるかそんなヤツ?)。実は結構前にCloister Initialsとしてデジタル化されているが、最近になってバージョンアップし、文字部分と装飾部分がセパレートになって色分けが容易になった。日本では何とも使用しづらいとは思うが、ま、お好きな方はどうぞ。

Sevigne

Sevigne

130以上の豊富なリガチャーを持つジオメトリックサンセリフディスプレイ。このテのものはITC Avant Garde Gothicという偉大な先達があるが、意識されてるのは間違いないだろう。こちらはより女性的になっている。3ウェイトあるが、一番太いものでさえ普通の書体だと Thin 相当なので、小さく使うのは危険。オールキャップスで小文字はない。女性ファッション誌などにどうぞ。読み方は [sey-vee-nyey] らしい。カタカナにすると「セヴィーニェ」かな。