安藤美姫選手が世界フィギュアを制し、4年ぶりに女王に返り咲いた。

今回彼女は、こんな事を言っていた。

「順位は何位でもいいから、とにかく被災者の皆さんが
少しでも笑顔になれるように演技した。」

その通り、ショートの演技はホントに
「祈り」が込められているように感じられ、
見ている方は何だかとてもジーンと来てしまった。

結果、彼女は優勝した。

私は正直、何かしらのデザイン賞が欲しい。
専門教育を受けたわけでなく、師匠もいない。
自分の立ち位置がイマイチ判らない。
だから何か、「軸」になるようなものが欲しい。
常々そう思っている。

でもことごとく、審査にはハネられている。恥ずかしながら。

私は、「誰かの役に立ちたい」と思って仕事をした事は、
正直いうと、まったくない。
いつも理解のないクライアントに舌打ちしながら仕事をしている。
たまに自分の作ったものが「評判がいいよ」と聞かされても、
まったくの他人事のようにしか聞こえず、
「はあそうですか。よかったですね」としか言う事ができない。

阪神大震災の時は22ぐらいで、
まだまったくのガキで何もできなかった。
新潟中越地震の時は、被災者には大変申し訳ないが、
「なんか手は足りてるな」という気がして、
何かをする事はしなかった。

しかし今回の震災は違う。私の意識が変わってしまった。
「誰かのために」なんて考えた事はない私でも、
何かせねばという気がずっとしている。

人は「できる事をすればいい」と言う。
確かにそうだろう。

しかし、うぬぼれかもしれないが、
デザイナーやエンジニアには、まだ何かもっとできる。
そう思えて仕方ない。

現に、被災者支援のためのWebおよびアート・デザイン・広告関係の動きはいくつもあって、
そして実際に一定の成果を上げつつある。

私は多分、何かできる。
そう思って、ずっと震災関連の情報を追っている。
ニュースはもちろん、被災地へ行った看護師、
ジャーナリスト、そして実際被災した人たちのブログ。

もう何だか復興が進んでいる気配が世間からは漂っているが、
とんでもない。被災後そのままという場所がまだまだたくさんある。
更地にしてさぁやろう、という状態になるまで、
おそらく年単位の時間がかかるだろう。

私は反射的に仕事をするタイプではない。
いつもとにかく情報を入れ、数日待って落ち着かせ、
余計な物が沈んだ後の綺麗な上澄みをすくうような感じで
アイデアを形にしている。
だから大体、いつも1案しか出さない。
浮かんでくるのはどうしても一つだから。
それが不満なクライアントも多いが(笑)、
私はそうなんだから仕方ない。

しかし今回の震災は、あまりに情報が多すぎて、
脳内がゴッチャになったまま、まだまったく整理がつかない。

先に挙げた活動例は、どこも被災地からのものだ。
東京発のものもあるが、東京だって大変な目に遭っているわけだから、
ある意味被災地だ。やはり当事者でないとできない事、
解らないことがあるのだろう。

地震も津波も放射能も買い占めも停電もない、
まったくの蚊帳の外の沖縄から、
一体何が出来るだろう。

今日も情報を仕入れながら、まだまだずっと、そんな事を考えている。

誰かのために。

私の欲しい賞とやらは、その先にあるんだろうか。

自分のデザインに、仕事に対する答えも、
ずっと探し続けてる。

Suntea
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