嘉瑞工房の2代目・高岡重蔵先生が1948年に発行した『欧文活字』が、先頃復刻されて出版された。

欧文活字

実はこれ、都合3回目の復刻。最初は2001年、印刷学会出版部からの発行で『欧文活字』本体とあとがきのみ。次が2004年、『付録 タイポグラフィ習作 1942 My Typography [LIGHT UP, WON’T YOU?]』が追録されている。これは当時オークションサイトで偶然見つかった、重蔵先生の21才の時の習作らしい。入手した方の好意で追録となったそうな。この時、表紙の字体が旧字体に変えられている。

欧文活字3種

で、今回2010年。巻頭に息子である昌生さんの作品、および巻末に上記付録に加え、重蔵先生の1973年の作品『Wandering from Type to Type』がカラーで追録され、さらに回顧録的なものが収録されている。出版社は烏有書林に変更。表紙の字体は新字体に戻ったが、「高」の字がいわゆる「はしご高」に変更されている。また本文は前2版は当時の活版の複写であったが、今回はDTPで打ちなおしてあり、図版も描き直されたりしている。さらにダストジャケットも付いた。あとこれ初版だけですか>高岡さん、特別しおりも挟まっている。これ以上ないお得版である。安いし、欧文書体好きはゲッチューだ。最近までAmazonで取り扱いがなかったので、地元のジュンク堂で入手。いやホント、ジュンク堂できてヨカッタ...以前ならまず地元では入手困難だっただろうなぁ。

付属のしおり

話は逸れて、書誌学という学問がある。上記のような、書籍の変遷を追うだけの学問である。一体それをまとめた所でどうするのかと、よく知らない私はギモンに思ったりするのだが(笑)。一度図書館のシステムに関わった事があるが、一冊の本に付随するデータのなんと多い事。これにまずびっくりした。タイトルと著者と出版社が判ればいいんでないの? と思ったが、どうもそうもいかないらしい。書誌学恐るべし(確か『イギリスはおいしい』で有名な林望先生が書誌学者でなかったかな)。

とまぁ、これ3版とも持ってる人って少ないのではないだろうか(笑)。
ちょっと自慢である。いつか3冊全部にサインもらおうかしらん。

Madeleine
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