展示会出品作品をポートフォリオに掲載した。

グラフィックデザインにはビジュアルランゲージ(視覚言語)やコミュニケーションアート(伝達美術)の別名があるように、究極的には

見て解る

ようでなくてはならない。作品がその意図を語らねばならないのだ。別に解説が必要なようなら、それはグラフィックデザインとして失敗作であるとさえ言える。

言えるのだが。

万人に解らせる事ができると思ってるほど自惚れてもいないつもりなので(笑)、少々解説を。

先の記事にも書いたが、よりグラフィックである事、よりテーマに沿う事を自らに課して、できたのが「沖縄をバズーカのように構える兵士」「迷彩柄の一部になった沖縄」「沖縄の形になったフェンスの錆」の3点。平和を訴えるアプローチには二通りある。ひとつは、平和・幸福を謳歌し共感を得る事。もうひとつは、平和と対局のものを示し、嫌悪させる事。私のアプローチは言うまでもなく後者だ。

新聞にあった批評には「戦争に巻き込まれる沖縄をシニカルに表現」とあったけど、「しにかるって何?」な私は(笑)そんなつもりはなく、とにかくまぁ『痛みを忘れるな』という意味で制作した。戦争は遠い時代や遠い国の出来事ではなく、今もすぐ傍で起こっている現実なんだよ、という事を言いたかった。

沖縄にはご存じのように米軍基地があるのだが、大変難しい問題が山積みで、戦争は悪だ、基地は出ていけと簡単には言えない事情がある。さらに私は、戦争を全面的に反対はしていない。話し合いで解決できない事もあろう。ただしやるときゃ、兵器は剣と馬に限定する。そして最も大事な事として、大将は最前線に出て、おのが命令で人が死んでいく様をその目に焼き付け、おのが自身も戦場で危険に身をさらせ。それを守れるのなら、大いにやれと推奨する(笑)。

なので、反戦・反基地をうたったわけではない。『痛みはそこにある』という事を言いたかった。やむを得ない戦争もある。一方で、あまりに平和ボケしてると今の日本のようになる。戦争と平和両方の良い面・悪い面を、常に忘れず考え続ける事が、結果としてだらけない、引き締まったいい平和に繋がるのではないかな、と思う。

最後のひとつが、今年初めに亡くなられた福田繁雄前JAGDA会長へのオマージュ作品である。見ての通り先生の名作「VICTORY」のテイストを用い、平和のピース(peace)とジグソーパズルのピース(piece)をひっかけている。ピースのひとつひとつには、よく見ると国旗が入っている。これも先生の名作、万国旗モナリザにひっかけている。そして、実際に福田先生の作品から取った手で3ヵ所、握手をさせている。握手をしている国・地域は、北朝鮮と韓国、イスラエルとパレスチナ、ロシアとグルジアだ。その他の国は、まず紛争地域を、そして国連安保常任理事国を、残りには、さすがに全国家を入れる事は不可能なので、アジア・中東・ヨーロッパ・南北アメリカ・アフリカ・オセアニア各地域から代表的な国を拾った。それらが、形は違いながらもうまくつながり、沖縄本島を形作っている。世界がこうあればいい、という願いを込めた。

福田繁雄『VICTORY』 福田繁雄 万国旗モナリザ
Piece from Okinawa 部分

国旗はわざと色を薄めにし、判りにくくした。実際気づいた人も少ない。遠くから見て「ほお」と思い、近くによってさらに「ほお」と思ってもらいたかったのだが...ちょっと薄すぎたかな。色校正はしたんだけど...今後の課題である。

ま、こんな感じでした。

ピース。

Echoes Sans
この書体は Echoes Sans — 欧文フォント買うなら MyFonts