コピーライターの西尾忠久さんの著書、「クルマの広告」という本を読んだ。DDBというアメリカの広告代理店が制作した、フォルクスワーゲン・ビートルのシリーズ広告を集めたものである。1959年から17年間も続いたこの広告は、今でも広告の最高傑作のひとつに数えられている。ライトパブリシテイのアートディレクターで現社長・細谷巌さんが心酔していた事でも有名だ。

クルマの広告―大人のための絵本 (ロング新書)

フォーマットはワンパターン。まったく同じフォーマットを17年間続けていた。なのになぜウケたかというと、ひとえに「内容が良かった」の一言に尽きる。ウィットに富んだ秀逸なコピーと、それをうまく視覚化した写真とイラスト。デザインをあーだこーだ言う前に、内容を良くしろよという話ですな。

こういった手法は日本でも採られており、朝日新聞で月1回掲載し、12年間続いたサントリー山崎の広告や、楽天トラベルのスナフキンを使った広告などがそうである。こちらは2年半毎日であった。実に900本以上同じデザイン。旅に関連し、時節をうまく取り入れた一言コピーが入るだけのほんの小さな広告だったが、「家で母の介護をしている私は旅行ができませんが、面白い広告を楽しんでいます」という手紙をもらった担当コピーライターは、涙が止まらなかったそうである。山崎の広告は「閑休自在 悠々自滴 異口同飲」という本にまとめられているが、現在絶版のようだ。

話が逸れた。

で、DDBが作ったフォルクスワーゲンのこの広告、コピーはすべてFuturaで統一されていた。ロゴに合わせたのだと思う。

ちょっと解りにくいかな...?

ご存じのようにアメリカという国は、少数のユダヤ人大富豪がウラで牛耳る国である。その国で、ナチスに関連したものを使用した企業がどうなるか。想像に難くない。

しかし、フォルクスワーゲンはこの広告を展開していた17年間、ビートルの販売台数が毎年前年を上回るという偉業を成し遂げた。

ね。嫌われてないでしょ?

Fabuleuse Slab
この書体は Fabuleuse Slab — 欧文フォント買うなら MyFonts