というコラムがexcite コネタに取り上げられ、mixi内で話題になっている。今は学校で教えないものらしい。

まぁ、今は欧米でも珍しいのかもしれない。ネイティブの方と付き合いのある方は解ると思うが、彼らの書く文字は、学校で言う所のブロック体を独自に崩したもので、筆記体とはかけ離れており、はっきり言って日本人には判読不能なものが多い(笑)。Doyald Youngさんから直接本を購入した時、その荷物に書かれていた宛名がやたらカクカクしてきっちりしたものであった。日本で仕事をする事が多かったYoungさんはおそらく、自分の書く字が日本人には読めないものだと知っていて、あえてああいう字を書いたのだと思う。

カッパープレート体は元々銅版画用

そもそも筆記体の元になっているのは、今で言うカッパープレート(Copperplate)という書体である(ほか「スクリプト Script」「イングリッシュラウンドハンド English Roundhand」などと呼ばれる)。17〜18世紀頃の英国で最盛期を誇っていたが、名の通り元々は銅板に針で鏡像に彫って、版画として使っていた、書くというより描いていた文字である。正直あんな風に流れるように手で書くのはかなり難しいのだが、版画である事から印刷に向いていたせいか、この書体でもって書字の教科書が作られ大量に配られたとの事で、手書き文字はこれで行こうという事になってしまっていたらしい。日本の教育機関もそれを無批判に受け入れたんじゃないかと推察される。

私はこれを習っている時、大変疑問に思っている事があった。文字によっては形がブロック体とあまりにも違いすぎる事である。

筆記体の説明もろもろ

タイポグラフィやカリグラフィに詳しくなった今では上図のように理解できるが、どうにも疑問なのは r である。なんでギリシャ文字のπみたいになってるのかだが、あれはどうも Half r と呼ばれる字体らしい。元々b、o、pのように右側が丸くなっている文字の次に r が来る場合に「のみ」使用可能な字体であったが、なぜかカッパープレートではデフォルトで Half r が採用されている書体が多く、それだけが正しいと思っている人がいて(というかそれが普通)、筆記体のロゴを作る時に大変だった思い出がある。結局これこれこういうものだと解説して解ってはくれたけども、これも何も知らず広めた日本の教育機関にも罪があるんじゃなかろうか。

Half r の説明
ミュリエル・ガチーニ西洋書道スクールの教科書より

ちなみに手書きであるカリグラフィにもカッパープレートがあるが、数ある書体の中でもかなり難しい部類に入るし、なんか「いかにも」な感じがしてあまり興味もなく避けていた。が、実は最近、このカッパープレートを練習している。というのも、開発(中断)中の書体であるステブレ(仮)さんがカッパープレートの風味を持っているので、その極意を会得し、書体開発に反映させようと思っての事である。まぁ単にブロードペンに飽きたというのもあるのだが(笑)。

カッパープレート用のペン先とペン軸

見ての通り、特殊なペンを使って書く。かなり傾いている書体なのでこういうペン軸が向いているようだ。またペン先はかなり鋭く、また柔らかいので紙に押し付けるとすぐ開く。これでもって細い太いを表現するのだ。

これだけペン先が鋭いと紙にガリガリ引っ掛かって非常に書きづらいのだが、ペン先を紙に対してやや傾けると、案外スムーズに書ける事に最近気づいた。通常のブロードペンは紙に対して垂直近くに立てると書きやすいのだが、この感覚でやってると困る事になる。またペンを倒している分、インクがペン先に降りて来にくいので、傾斜台の角度は低くした方が良い。これまでの他の書体の練習の成果か、予想よりうまく書けるので結構楽しい。なんとかマスターしてみたいと思う。

書きとり練習

The Crashed Fonts
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