HelveticaのDVD日本語版を入手、早速観てみた。本編が80分、本編に入れられなかったインタビュー集が95分という、特典映像の方が長い映画である(笑)。名だたるタイプデザイナーたちのHelveticaに対するスタンス、デザイン哲学は、とても聴きごたえ・見ごたえがあった。デザイナーが書いた本はいくつもあるが、やはり実際に口から発せられる言葉の方が、例え数分だとしても何倍も情報があるな、というのは、以前嘉瑞工房の重蔵先生と直接お話しさせていただいた時に強く感じた事だ。こういう映画は、えーっと興行的にはかなり厳しいものがあるとは思いますが(笑)、もっと作られていいんじゃないかなと思う。

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私にとっての至言がひとつあった。Erik Spiekermannの言葉。「書体は95%は他と同じでなければ読めないんだ」というもの。残り5%でしのぎを削る、タイプデザイナー達の仕事の厳しさがうかがえる。

面白かったというか興味深かった事が一点ある。それは、皆それぞれに意見をもっていた事だ。Helveticaは完璧だ。いや退屈だ。私は好きだ。私は嫌いだ。書体は2、3あればよくてそれで十分だ。そんな事で仕事が来るのか? それぞれがそれぞれの主張を持っている。それは、実に実に当り前の事なのだが、日本人との大きな違いは、その異なる意見が「お互いに干渉してない」という事だ。例え反目する意見があったとしても、「ボクはボク、キミはキミ」なのだ。違う意見があったっていい。アイツの言う事は間違ってる、アイツはボクに反対してるからキライだ、そういう事が一切ないのだ。まぁ一緒に生活や仕事をしていないからなのかもしれないが、私にはそれがとても大人で素敵に見えた。私はちょっと「文字を大きくして」とか言われると、「なんやとォ? デザイナーは誰じゃコルァ!」とすぐブチブチ切れてしまうので(笑)、彼らのように穏やかに主張できるようになりたいなと思う。ま、それも確かな腕があっての事なのだけれど。

最後に、Helveticaをもっと知りたい人のための2冊を紹介して。

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Yacqui
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