経営コンサルタントのアタックス(名古屋市中村区)と法政大学が一日発表した調査リポート「四十七都道府県の過去十年間の経済成長力」によると、四十七都道府県の中で最も経済成長力が高かったのは沖縄県、最下位は和歌山県だった。

2006年5月2日 Yahoo!より引用

こんな発表が本日なされた。私は沖縄から一歩も出ることなく30数年暮らしているが、この事は肌にぴりぴりと感じている。この10年とその前の10年を比べると、その発展の早さは異常とも言えるほどだ。那覇市内に「新都心」や「小禄」と呼ばれる地区があるが、これらの地区は10年前、それはもう見事な野っ原だった。米軍が接収していた地域が返還され、その後しばらくの間放って置かれていた場所が、この10年でデカいデパートやらシネコンやら免税店やらができ、モノレールも走り出して、スゴい事になっている。さらに数年前から起こっている沖縄ブームが拍車をかけ、本土からの移住者は年間2万5千人との統計もある。最近やっと地元の人間と仕事をする機会が増えたが、それまで私のクライアントや仕事のパートナーは、9割近くが本土出身者を占めていたほどだ。去年まで日本一周をしていた知り合いが言うには、大都市(東京や大阪、名古屋、福岡等)以外はどこも似たり寄ったりで、沖縄が一番元気がある、との事。

さて経済の発展は良いのだが、その反面、当たり前の事で自然は見事に破壊されまくりである。国頭村の山中には必要もない道路が張り巡らされ、おかげで野生動物の輪禍が後を絶たない。ヤンバルクイナなどは深刻な絶滅の危機に瀕している。北谷町美浜地区も埋め立て後の誘致が成功して発展を見せ、それに気をよくしたのか、糸満市の西崎、豊見城市の豊崎、与那原町の東浜などがバカスカ埋め立てられている。沖縄市の泡瀬干潟も埋め立て真っ最中で、浦添市も埋立事業を行うと発表した。繰り返すが、このスピードはかなり異常だ。数年前から沖縄に家を持つ演出家・宮本亜門氏も、地元紙のインタビューに「よそ者が言うのも何ですが、今がギリギリの分岐点だと思います」とのコメントを残しているが、私もまったく同感である。社会的な問題も増えたようで、夜回り先生によれば「他府県のどこよりも速いスピードで子供たちが危なくなっていっている」そうだ。

ハワイは自然が多いように見えて、実は人工の島と言っても良いほど手が加えられているらしい。元々は火山しかないごつごつした島々で、ヤシの木もハイビスカスも、外から人間によって持ち込まれたものだそうだ。沖縄の自然も、今残っているだけでも残すか、埋め立てだらけの真っ平らな、ハワイのような偽りの自然の島になるか、今分岐点に立たされている。『美しい自然を残そう』なんて薄ら寒いエコロジストのような事は言いたくない。田舎があまり好きではなく、これだけ人工物に囲まれて暮らしてる私が言っても、何の説得力もない。が、しつこいようだがもう一度繰り返すと、この10年のスピードはシャレならんと思う。経済的に発展すれば、一方で失うものも大きい。両方を手に入れることはできないのだ。

景気も県経済も上向いているという昨今。しかし相変わらず我がサイフは、バブル崩壊直後の状態のママである。流しソーメンの最下流にいる私が、ソーメンにありつける日は来るんだろうか。みんな箸を上げろー(切実)。

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