こんな(どんな)私だが、実は本を出していたりする。

とは言っても共同執筆者の一人として参加しただけで、担当ページ数も6ページぐらいだったと思う。その本のタイトルは、

『指輪物語』のファンタジー・ワールド
――指輪(リング)をめぐる環(リンク)

というものだ。何しろ冒頭の詩を「Three Rings for the Elven Kings under the sky...」と英語でそらんじて言えるほど『指輪物語』およびその作者J. R. R. トールキンの大ファンだった私は、当時それ関連の『The Redbook of Eastmarch』(東境の赤表紙本)というサイトを公開していた。物語に出てくる様々な種族や、エルフの使う文字(テングワール)について掲載していたが、Webを覚えはじめた頃に作ったサイトで、今見るととても恥ずかしいものであるので現在は閉鎖という憂き目に遭っている(遭わせたのはお前だ)。とはいえ、日本での指輪関連サイトとしてはかなり古い部類にあったと思う。今では山のようにあるが、立ち上げ当時はまだ数サイトしかなかったものだ。

サイトを公開して数年経ち、さてそろそろ『ロード・オブ・ザ・リング』が公開されるぞとワクワクしていた頃、一人のフリーライターからメールが届いた。これこれこういう企画の本を出すんだが、ちょいと書いてもらえないだろうかということだった。当時何をしていたかは覚えてないが、忙しかった事だけは確かである。それなのに何とはなしに引き受けてしまった。忙しい仕事の合間によくもまぁあれだけ書いたものである(正確にはこれの執筆の合間に仕事をしていた)。私が書いたのはホビットやらエルフやらの特徴を簡単に紹介するページだった。著者名の『粥村寄り合い』とは、新版では「ブリー村」と言い換えられている村で寄り合った仲間たち、という意味らしい。私の知らないウチに決められてしまっていたが……。

で、この本の売れ行きはどうだったかというと、完全に泣かず飛ばずだったようである。私自身本屋では一ヶ所でしか見たことがない(笑)。そもそも装丁がかなりひどかった。日本では本の売れる要素の順が 1.著者名 2.装丁 3.内容 という有様なので、装丁の善し悪しはかなり売り上げに響くのだ。「装丁やりましょか?」と冗談混じりに話していたが、どんなに安いギャラでも引き受ければよかったと後悔している(私がやったら売れていたかどうかは不明)。

しかし最近になって、この本が

『指輪物語』のファンタジー・バイブル

と勝手に改題されて販売されていることを知った。普通こういう場合、著者に了承を取ったり、ギャラをさらに払ったりしなければならないのは常識である。しかし、そういった連絡は一切ない。出版社さん、これ見てたら連絡下さい。ほいでギャラもちゃんと払えよこのヤロウ。

……ひょっとしたら、もらってないのは私だけ?

American West
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