Communication Arts』という雑誌がある。広告とグラフィックデザインの専門誌で、アメリカで発行されており、沖縄ではまず手に入らないので数年前から直接定期購読している。毎年レギュラー号で “Design” “Advertising” “Illustration” “Photography” “Interactive” という5部門の作品を募集し、1部門ごとの審査結果にまるまる1号を費やす。つまり年の半分は年鑑で占められているという雑誌だ。広告大国アメリカの動きがよく解っておもしろい。向こうはコピーを余りデカデカと書かず、一枚の絵で“魅せる”広告が多い。美しい広告はむしろ日本の方が多いが、こういう一枚の絵の力はアメリカの方が圧倒的だ。伝達美術たるグラフィックデザインの面目躍如。多民族だからこその文字に頼らないデザインなんだなと思う。

4、5年前に購読を申し込んだ時、当然英語で必要事項を記入した。住所はもちろん「Okinawa, Japan」だ。確かにそう書いて申し込んだのだが、最初の号が届いた時、住所を見て「はて」と驚いた。

RIOU KIOU, JAPAN

となっていたのである。「リオウキオウ?」とちょっと悩んだが、すぐに「ああ」と意味が分かった。つまり「琉球」と書いていたのである。数百年の歴史があり、浦賀沖に行く前にペリーも立ち寄った「琉球」は、もちろん欧米の文献にもちょくちょく名前の出てくる国なのだが、その表記方法はまちまちだ。“Ryukyu” “Loo Choo” “Riu Kiu” などだが、この “Riou Kiou” という表記はその時初めて見た。早速検索にかけてみたが、どうやらフランス語圏で用いられていた表記法のようである。

ま、それは判ったのだが、解らないのは何故わざわざ “Okinawa” を “Riou Kiou” と書き換えたのか、である。たまたま Communication Arts の定期購読担当に、東アジアの歴史かなんかを専攻した人がいて、Okinawa が Ryukyu だったという事を知っていたのか。それでちょっとお茶目心を出し、フランス風に書き換えてみたのだろうか。洒落には洒落で返すのがオトナの対応だろうと思い、クレームも出さず、表記違いも敢えて訂正していない。遠い異国に、私の地元の歴史を知ってくれている人がいるんだなぁとニヤニヤしながら、購読更新の際も「RIOU KIOU, JAPAN」と書いている。その人が今もスタッフとして働いているのかどうかは判らないけど。

いつもちゃんと届けてくれてる郵便屋さんに感謝。


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