6月11日、日本グラフィックデザイナー協会(通称JAGDA)の総会が初めて沖縄で行われたので、滅多にない機会だと思い、そのパーティへ参加してきた。とは言っても一人で行ったし、唯一の知り合いはスタッフとして借り出され司会をしていたので、社交性がゼロどころかマイナス値を示している私は、終始一人でぽつーんとしていた。

しかし、私の目の前には信じられない光景が広がっていた。ざっと思い出せるだけで、会長福田繁雄をはじめ、松永真、中村誠、浅葉克己、勝井三雄、山形季央、廣村正彰、佐藤卓秋田寛秋山孝、山岡茂、新村則人左合ひとみ、小島良平ら雑誌でしか見たことのない人たちが、食事をし談笑しているのである。私にとっては雲の上の人たちで、会員でもない駆け出しの私は、ひとり壁にへばりついているのがやっとだった。

それでもお二人だけ話をすることができた方々がいる。たまたま私の隣に立たれた、地元の宮城保武さんだ。この方は最近まで会員だったが、お体を悪くし退会なさったそうだ。私は氏がマークとロゴをデザインされたNAHAマラソンのサイトを担当させていただいてますと挨拶した。

もうおひとりがスタジオ・ギブの山岡茂さん。この方とは4年前、日本文化デザイン会議が沖縄で開催された際、事後の講師との食事会で同席させていただいた。本当は同じ席にいた長友啓典さんが目当てだったのだが(失礼)、この時も声を掛けずじまいだった。で、たまたま隣に座られたのが山岡さんだった。この時は京都は“居良い”(いよい=居心地が良い)、でもこのままじゃいけないと東京に出たと話されていた。このパーティではフルーツ山盛りの皿を片手に、またもたまたま私のすぐ横に立たれ、廣村正彰さんや秋田寛さんに薦めていらした。で、思い切って「覚えてらっしゃいますか」と尋ねてみたが、見事にアテは外れた(泣)。それから話をする内に、「会員じゃないの?」という話になった。「……いえ、年鑑を見てると、私はまだ恥ずかしいです」と言ったら「年鑑(に載る載らない)は関係ないよ。推薦誰かいるでしょ?(会員になるには会員1名の推薦が必要)」とおっしゃっていただいた。

だがやっぱり私はまだ恥ずかしい。同年代の古平正義や植原亮輔寄藤文平野田凪、平林奈緒美といった才能を見ていると、自分はこんな所でいったい何をしているのだろうと思う。悔しくて涙が出てくる。確かにスタートは遅かった。27になるまでデザインのデの字も知らず、それからまったくの独学だ。もちろん彼らは日本代表のスタープレーヤーで、比較にならないことは重々承知している。しかしそれでも、と考えずにはいられない。恥ずかしさは募り、沖縄会員の知り合いに2次会へも誘われたが、どうしても、どうしても会場に入ることはできず、憧れの松永先生へ声を掛けることもなく帰ってしまった。私だって、自(おの)れの分(ぶん)ぐらいはわきまえている。会員なら輪に入ることもできよう。学生ならば無邪気にサインをねだることもできる。しかし私は底辺部とはいえ、あの方々と同じフィールドにいるのだ。

しかし、この2日考えてみた。リーグ(会員)に入らなければレギュラー入り(年鑑掲載)もない。レギュラー入りがなければ代表入り(新人賞)もありえないんじゃないかと。新人賞の権利失効まであと6年(40歳未満まで)。あと6年しかない。もたもたしてる場合じゃない。恥ずかしがってないで、頭を下げて会員にしてもらおうかとも思う。

(文中敬称略)

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