昨年の12月、『二胡姫』というサイトを制作した。名の通り二胡のオンラインショップである。予算が少なくかなりシンプルになってしまってはいるが、店長のアドワーズへの努力やXHTML+CSSのおかげかSEOも功を奏し、なかなかの売れ行きのようである。

サイトをご覧いただければ、各ページのヘッダとフッタにはなにやら漢文めいたものがあるのが判るかと思う。実はこの漢文、ただ書いたのではなくて意味があるのだけれど、いつか誰かが訊いてくれるだろうと放って置いたが、今日現在にいたるまで誰にもな?んにも訊かれてない。とっても悔しいので、ここで勝手に解説する。

「知音(ちいん)の友」という言葉がある。大親友同士を意味するのだが、この言葉の元になったのが列子伝にあるこの話である。春秋時代、伯牙(はくが)という琴の名人がいた。琴とは言っても皆さんご想像するようなものではなく、当時弦楽器はたいがい琴と呼んでいたらしい。まぁどういうものかまでは知らないが、とにかく名人だった。名人だったの! そんで、その伯牙の琴の聴き手に、鐘子期(しょうしき)という人がいた。伯牙が山を想って琴を弾くと、鐘子期は「よきかな、峨々として泰山のようだ」と言った。泰山とは中国にある山で、さほど高くはないが周りに何にもない所にぽつんとあるので、大変目立つ。ゆえによく詩に詠まれるそうな。また伯牙が大きな流れを想って弾くと、鐘子期は心得たもので、「よきかな、洋々として長江のようだ」と的を射た感想を言った。

月日は流れて鐘子期が先立つと、「もはや聴かせる者がいない。私の琴を解ってくれる者はいなくなった」と伯牙は琴を折った。それ以後、一切琴を弾くことをやめたらしい。これを伯牙絶弦(はくがぜつげん)という。他にもたくさん伯牙の琴を聴きたい人はいるのに、たった一人の音を知る友のために、名人は琴をやめた。この故事から『知音』を大親友のことを言うようになったらしい。

二胡姫では、山の部分を上に置いたから山の絵があり、下に川の部分を置いたから川の絵を描いたのである。山は上に伸びるものだし、水は下に流れるもの。また琴の話だから二胡姫にはとってもふさわしい。そう思って選んだんだが、誰も気にも止めなかった。浅い知識をめいっぱい使っただけだが、まったく無視されると市に虎が立つ気がする。間違ってる?

えー、特にオチはありません。

1543 Humane Petreius
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