FM STUDIO—Fumitaka Miyazato design STUDIO

不屈の番長、健在。

このブログでは、避けている話題がある。仕事に関する事と、映画やテレビ、音楽などのレビューだ。前者は色々支障があるし、後者は正直私自身が他人のものをまったく読みたくないので(笑)書かないのだけれど、たまには書きたくなるので書かせてもらう(というか誰に断ってる?)。

12月8日、K-1の本年度の決勝トーナメントが行われた。優勝は例の如くあのデカブツだが、ともあれ私が注目したのは、ジェロム・レ・バンナ。強いが運に恵まれず無冠。しかしその言動とファイティングスタイルで、K-1ファイターの中でも屈指の人気者だ。私は特にファンというのがいないが、故・アンディ・フグと彼はちょっと良いと思っていた。そしてこの試合を見て、またちょっと好きになった。

なぜ好きになったかというと、彼の持ち味であるド根性が垣間見えたからだ。2回戦で右脚のケガに泣いたが、実はあれ、1回戦で痛めていたはずだ。1回戦のチェ・ホンマン戦、何ラウンドかちょっと覚えてないが、ホンマンの左脚に右のローキックを放った際、ホンマンが膝でキックを受けた。この時、入り方がマズかったらしく、直後、バンナの動きが非常にわずかだがおかしくなった。ビデオに撮った人は確認してほしいが、右脚をわずかに引きずっているのが判るだろう。足首を伸ばさず、踵をマットにべったり付けて、なるべく足に負荷がかからないように移動している。ずっと見ていないと判らないぐらいの異変だが、バンナは必死で痛みをこらえ、相手にバレないようにしているのだろう。

そしてここからがバンナのすごい所。

なんと、右脚でキックを放ったのだ。高さはミドル、最も柔らかい腹を狙ったものだ。これならローやハイよりは足への負担は少ない。とはいえ、激痛が走ったはずだ。左があるじゃないかと思うだろうが、軸足がしっかり踏ん張れないとキックの威力は半減する。つまりバンナはもうキックが使えなくなったのだ。そのため試合後半、218cmの巨体を誇るホンマンの懐に入り、インファイトによるパンチ勝負に出た。あのミドルは、接近時にローに集中されるのを避けるための決死の演技であった。

そして、勝った。

2回戦出るかどうか心配だったが、やはりバンナ、棄権はしない。しかし1R終了直前、シュルトの膝蹴りを顔面にもらい、棒立ち(倒れないのが異常だ!)になるほどのダメージを受けた。私がセコンドならあの時点で止める。それぐらいキツい一撃だった。いや実際、セコンドも止めただろう。インターバルでは、セコンドが何がしか言っているが、バンナは激しく首を横に振る。2Rも出る。そう主張したのかもしれない。そして出た。マウスピースをまともに噛めない状態ながらも。が、動けずにいる所に痛めた右脚に攻撃をもらい、とうとうセコンドからタオルが投げられた。

2002年、バンナはアーネスト・ホーストに左上腕を粉砕骨折され、ダウン。その後の手術で13本ものボルトを埋め込まれるほどの重傷であった。しかしそれにも関らず、彼はなんと、一度は立ち上がってファイティングポーズをとった。もちろん負けはしたが、とんでもない男である。とにかく熱いファイトをするヤツだ。

今調べて初めて知ったのだけど、バンナは私と同い年だ。もう長年K-1にいるので、ずっと年上だと勝手に思っていた。考えればそれでも35、普通ならとっくに引退している歳である。しかし彼はまだ、ベルトを手にしていない。引退する前に、一度はベルトをしている姿を見たい。シュルトの3連覇は確かに偉業だが、今回バンナとアーツのケガに助けられた部分はかなり大きい。スキはあるはず。’72年生まれの星として、来年また、チャレンジして欲しい。

※もし1回戦でケガしてなかったらごめんちゃい。

11 Dec. 2007

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